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日常の何気ない意思決定場面を論理的に思考するということは、自分の目的や価値観に基づいて最適な選択をするということです。
例えば、何かを購入するときには、その商品やサービスが自分にとってどのようなメリットやデメリットをもたらすのか、他の代替品と比較してどれだけコスパが高いのか、自分の予算やニーズに合っているのかなどを考える必要があります。
このように論理的に思考することで、無駄な出費を避けたり、満足度の高い購入をしたりすることができます。
しかし、日常の意思決定はそう簡単にはいきません。人間は感情や直感、習慣や社会的影響などに左右されやすく、論理的でない判断をしてしまうことがよくあります。
例えば、安売りや限定品に惹かれて衝動買いをしたり、口コミや広告に影響されて自分に合わないものを買ったり、自分が持っているものに固執して新しいものに乗り換えられなかったりすることがあります。
これらの行動は、自分の本当の目的や価値観とは乖離しており、最適な購入とは言えません。
私たちは、普段、生活をしている時も、何気なく、意思決定しているのです。これが、大根や玉ねぎといったレベルのモノであれば、少々、失敗しても、「まっ、いいか。」として過ごしているのではないでしょうか。
一方、スマホや、バイクや自動車、もしかするとマイホームなどの高額商品を購入する時などは、真剣にいろいろと情報収集をして、買い時なのか、控えておくべき時なのかを考えるはずですね。
では、どうすれば日常の意思決定を論理的に思考することができるでしょうか。
ストーリー
例えば、Aさんが、ある日、家電量販店に立ち寄ったら、
今なら最新モデルのスマホが、一括なら5割引きで買えます!
残りは3台ですよ!
と店員から声をかけられた。Aさんのスマホは型が古く、そろそろ買い換えたいと思っていたところであった。Aさんの立場になって、どのように情勢判断をし、どう結論を出しますか?
そもそも、Aさんの目標(目的)は何なのか?もっと安く売っている店は本当にないのか?一括支払いでいいのか?といったことを、確認して、購入する、しない、という結論、つまり、意思決定をします。
もしかすると、購入する、購入しない、それ以外に比較検討した結果、最新機種を2年で返すプログラムをするという選択もあるかもしれません。
別用事で、秋葉原に出かけていたところ、自分のスマホ(購入から4年)の調子があまり良くないことを思い出した。家電量販店に立ち寄りスマホを見ていたら店員がやってきて、
今なら新作のスマホ30万円が、25万円で買えます!在庫少数のため早い者勝ちです!
また、来るのも面倒だし、来週だと売り切れているかもしれないと思い、購入した。
今日はいい買い物ができた!
その後、家に戻りインターネットでジャングルの奥地を見ていたら、20万円で購入できることがわかった。
ジャングルの奥地で買っていれば浮いた5万円でなにかできたかもしれません。
ちなみに以前まで使用していたスマホは、壊れて使えないわけではなかった。
また半年後にそのスマホの価格を見ると、半額の15万円になっていました。何がいけなかったのでしょう?
検討する
Aさんの思考は何がダメだったのだろうか?
スマホ購入の教訓(失敗事例)
- スマホを買い換える必要が真にあるのか(目標の把握)
今、本当にスマホを買い換える必要性があるのか?という目標設定、把握の検討が不十分 - 事前の価格調査等(情報収集)
スマホを購入する前に、価格調査(情報収集)をしない。 - 給料を何に使うかを検討(方策の検討)
お金の使い方について、いつ、何に使うかを計画作成が不十分(言葉につられて購入した。)
したがって、「目標の把握」、「情報収集」、「方策の検討」を行うというのは、重要な手続きです。
ここでは、以下の3つのステップを紹介します。
目標を明確にする
スマホを購入する前に、まず、何がしたいのかを見極める、つまり、目標を十分に認識・把握することが必要です。
- まだ我慢できるレベルなのか
- 他の安物スマホで当面をしのぐことはできないのか
- 機能・性能は最新ハイスペックでなければならないのか
- いつまでに購入しなければならないのか
などを検討の上、本当に今スマホを買い換える必要があるのかどう
かの目標を明確にする必要があります。
情報収集をし、選択肢を比較検討する。
自分の目的や価値観に合った選択肢を見つけたら、それぞれのメリットやデメリット、コストや効果などを比較検討することです。
購入するとしても、
- 現在使用中のスマホの状況はどうか
- 処理速度が遅く感じるのは、バックグラウンドアプリが多いか
- 使用法にも問題はないか
という観点で現在のスマホを確認しているのだろうか。また、購入するにしても、新製品の価格と性能は適切なものなのか?いわゆる口コミではどういう評価が多い?といった、情報収集を行うべきでしょう
方策案の考察
違う購入方法を考えます。
- 毎月貯金して、その積立から購入する
- クレジットで毎月分割払いというのもあるし、
- 利子がもったいないからという理由で一括払い
- 2年間で返却するリース
というのもありでしょう。ただし、上はそれぞれ、メリット、デメリットがあります。
その他にも、もし、毎月の積立てとすると、いつスマホ代金が溜まるのか?
それまでの間、やりたいことを我慢すべきなのか?
スマホとほかの物、どちらの優先度が高いのか?
ほかの方法で出費を低減、削減できるものはないのか?
等を検討すべきです。そして、今まで述べた選択肢から、自分にとって最適と考える手段を導き出すため、各選択肢のメリット、デメリットを踏まえ、意思決定するのです。意思決定したならば、実際にその細部を計画、実行していくのです。
もし、分割払いや積立てで購入すると決めたらなら、無駄な出費をしないようにしなければなりません。
また、予想外の出費を必要とするような状況に陥らないようにしなければなりません。
以上の3ステップをすることで、購入する、しないを決定します。
そして、購入するとした場合、購入するに当たって、いつ、どの店で(通販や店舗もあり得る。)、どのメーカーといった細部を考える必要があります。
この細部計画が杜撰なら、今まで、いろいろと検討してきた意味はなくなるでしょう。
まとめ
日常、我々は大なり小なりの数多くの意思決定を行っています。
10円ガムやうまい棒を購入するのに、いちいち情報収集や比較検討をしている人は少ないと思いますが、時にはしっかりと物事を整理して論理的に思考して、意思を決定するということは人生でも、作戦でも、重要かつ大切なことです。
意思決定の結果を評価しフィードバックループを作ることの重要性についても触れると良いでしょう。意思決定は一度きりのものではなく、結果を見て学び、次回に活かすことが重要です。
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