意思決定の行い方 OODALOOPとPDCAサイクル

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PDCAサイクルとは

PDCA サイクルとは、1950 年に米国の統計学者であるウィリアム・エドワーズ・デミング博士によって提唱された思考法であり、業務管理の効果的手法として日本で多く用いられています。

まずは、PDCA サイクルがどのような思考法であるか、語句の定義と共に見てみましょう。

P:Plan(計画)とは、目標を設定し、それを達成するために計画を立
案することです。

D:Do(実行)とは、計画に基づいて何らかの行動を起こすことです。

C:Check(評価)とは、行動によって生じた結果の成功/失敗要因を評価・分析することです。

A:Act(改善)とは、分析結果を踏まえ、今後の行動をよりよくするために対策を考えることです。この対策をもって、次回の計画立案に充てます。

PDCA サイクルを回すために必要なもの―C(評価)と A(改善)―

PDCA サイクルを有効に回すためには、評価(Check)・改善(Act)のプロセスを正確に行う必要があります。

まず、評価(Check)の過程では、事前の計画に照らして進捗度合いがどの程度か確認したうえで、取った行動の成功要因と失敗要因を分析する必要があります。ここでは、問題点を細分化し、解決可能なレベルにまで具体化したもの、即ち「課題」を導き出す必要があります。

次に改善(Act)の過程では、「課題」を明確化したうえで、課題に即した対策を打つ必要があります。間違っても「原因と対策」というような短絡的な問題解決を行ってはいけません。この2 つのプロセスが疎かになっていると、PDCA サイクルが有効に機能しません。そして、このような思考法「誤った」PDCA サイクルが浸透することは大きな問題です。しかしながら、「PDCA サイクルにそもそも欠陥がある」というもう一つの問題を知っている人は数少ないです。

その欠陥とは、PDCA サイクルが「不確実性に対処する能力が極めて低い」ということです。前項でも確認した通り、PDCAサイクルは「計画」の立案を行い、それに基づいて行動・評価を実施するという思考法です。

周囲の状況に大きな変化が起こらなければ、綿密な情報収集に基づき、時間を取って計画を立てることができ、そして、その計画が実現する可能性は極めて高くなります。PDCA サイクルが「平時」の考え方と述べたのは、このような理由からです。しかしながら、我々が今後直面するのは、予測不可能な状況です。

クラウゼヴィッツが「戦場の霧」という概念を提唱しているように、戦場は混沌としており、得られる情報は多くが間違っています。そして、自らを取り巻く状況は刻一刻と変化する。このような状況で、悠長に情報収集を行い、計画を立案する時間があるでしょうか。もし、戦場のような不確実性の高い現代社会で PDCA サイクルを回そうとすれば、情報収集の段階で時間が掛かります。得られる情報は不正確であり、そして過去のものです。

そのため、立案する計画は、必然的に相手に対し後れを取ることとなります。計画段階で後れを取れば、意思決定と行動においてさらなる後れを生み、それが命取りとなってしまう。こうなってしまえば、いくら性能の高い物を多数揃えたところで、相手に勝てることはないです。

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